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2025.09.23

【完全ガイド】CM制作の流れを7ステップで解説!企画から放映までの期間・費用・成功のコツまで

「テレビCMを出したいけど、何から始めたらいいかわからない…」 「制作にはどれくらいの期間や費用がかかるんだろう?」

企業のマーケティング担当者やWebマーケターの方で、このように感じている方も多いのではないでしょうか。Web広告が主流の今でも、テレビCMは幅広い層へ一気にアプローチできる強力なマーケティング手法です。しかし、その制作プロセスは複雑で、全体像を掴むのは簡単ではありません。

この記事では、そんなCM制作に関する疑問や不安を解消するために、企画の立ち上げから放映後の効果測定まで、CM制作の全工程を7つのステップに分けて徹底解説します。制作にかかる期間や費用の目安、そしてCMを成功に導くための重要なコツまで、初心者の方にも分かりやすくお伝えします。

この記事を最後まで読めば、CM制作の全体像が明確になり、自信を持ってプロジェクトの第一歩を踏み出せるようになるはずです。

CM制作の全体像:企画から放映までにかかる期間と費用

まずはじめに、CM制作プロジェクトの全体像を把握するために、必要となる「期間」と「費用」の目安について見ていきましょう。

制作期間の目安は2〜3ヶ月

一本のテレビCMが完成し、実際に放映されるまでには、一般的に2〜3ヶ月程度の期間が必要です。もちろん、実写撮影なのか、アニメーションなのか、あるいは静止画を組み合わせたものなのかといったCMの内容によって期間は変動します。

  • 静止画やシンプルなアニメーション:1ヶ月程度で制作可能な場合も
  • 実写撮影や複雑なCGアニメーション:最低でも2ヶ月以上、場合によってはそれ以上

企画の立案や絵コンテの作成に約1ヶ月、その後の撮影から編集、音入れなどの仕上げ作業に1.5ヶ月〜2ヶ月ほどかかるのが一般的なスケジュール感です。余裕を持ったスケジュールを組むことが、クオリティの高いCM制作には不可欠です。

費用の全体像と主な内訳

CM制作にかかる費用は、大きく「制作費」と「放映費」の2つに分けられます。

制作費は、CM映像そのものを作るための費用です。企画の内容、タレントの起用、撮影場所、使用する機材などによって大きく変動しますが、最低でも100万円以上は見ておくとよいでしょう。

主な内訳は以下の通りです。

  • 企画・プランニング費:10万円〜30万円程度
  • 撮影費(スタッフ人件費、機材費、スタジオ代など):20万円〜80万円程度
  • 編集費(編集、MA作業など):15万円〜40万円程度
  • 出演料(タレント、モデルなど):数万円〜数千万円以上

一方、放映費は、制作したCMをテレビ局で流すための費用です。どの地域の、どのテレビ局で、どの時間帯に流すかによって大きく異なります。

  • 関東の地上波キー局:15秒CM1本あたり30万円〜100万円程度
  • 関西の地上波局:15秒CM1本あたり4万円〜25万円程度
  • 地方局:15秒CM1本あたり1万円〜4万円程度

このように、CM制作は大きな投資となります。だからこそ、一つひとつの工程をしっかりと理解し、計画的に進めていくことが何よりも重要になります。

【7ステップで徹底解説】CM制作の具体的な流れとスケジュール

それでは、ここからCM制作の具体的な流れを7つのステップに沿って詳しく解説していきます。各ステップで何が行われるのかを理解することで、プロジェクト全体の見通しが立てやすくなります。

ステップ1:企画立案・オリエンテーション(目的の明確化)

すべての始まりは、広告主、広告代理店、制作会社が集まって行われる「オリエンテーション(ブリーフィング)」です。これは、CM制作の羅針盤となる、最も重要なステップといえるでしょう。

この場で、以下のような項目について認識をすり合わせます。

  • なぜCMを制作するのか(目的):新商品の認知度向上、ブランドイメージの向上など
  • 誰に届けたいのか(ターゲット層):年齢、性別、ライフスタイルなど
  • 何を伝えたいのか(訴求ポイント):商品の特徴、サービスの魅力
  • どのような効果を期待するのか(KPI):売上向上、問い合わせ数増加など
  • 予算とスケジュール

ここでの打ち合わせが綿密であるほど、関係者間のイメージのズレがなくなり、その後の工程がスムーズに進みます。自社の想いや課題を、具体的かつ明確に伝えることが成功への第一歩です。

ステップ2:企画コンペ・構成案の決定

オリエンテーションで共有された情報をもとに、CMプランナーやクリエイティブディレクターが中心となって、CMの具体的な企画を作成します。

多くの場合、複数の企画案が提案され、広告主はその中から最も目的達成に貢献できると判断した案を選びます。この段階で、CMのコンセプトやストーリー、全体的なトーン&マナーが固まります。ターゲット層の心に響く、クリエイティブなアイデアが生まれるかどうかが、このステップにかかっています。

ステップ3:絵コンテ制作(映像の設計図)

採用された企画案を、さらに具体的な映像に落とし込むのが「絵コンテ」の制作です。絵コンテは、CMの設計図や台本のような役割を果たします。

各シーンのイラストに、以下のような情報が細かく書き込まれます。

  • カメラワーク(寄り、引きなど)
  • セリフやナレーション
  • 音楽や効果音のタイミング
  • 各カットの秒数

この絵コンテを見ることで、完成するCMのイメージを関係者全員が具体的に共有できます。撮影が始まってからの大幅な変更は、追加のコストや時間のロスにつながるため、この段階で内容をしっかりと吟味し、修正点があればすべて洗い出しておくことが非常に重要です。

ステップ4:撮影準備(PPM・キャスティング・ロケハン)

絵コンテが固まったら、いよいよ撮影に向けた具体的な準備に入ります。

  • キャスティング:CMのコンセプトやターゲット層に合った出演者(タレント、モデル、エキストラなど)を決定します。
  • ロケハン(ロケーション・ハンティング):撮影場所を探し、事前に下見を行います。スタジオ撮影か、屋外でのロケーション撮影かを決定し、必要な許可申請なども進めます。
  • PPM(Pre Production Meeting):撮影直前の最終確認ミーティングです。監督、カメラマン、照明、美術などの全スタッフと広告主が集まり、企画意図や演出プラン、衣装、メイク、小道具に至るまで、細部を最終確認します。

この準備段階を丁寧に行うことで、撮影当日のトラブルを防ぎ、スムーズな進行が可能になります。

ステップ5:撮影・制作(実写 or アニメーション)

いよいよCMの素材となる映像を撮影・制作する工程です。CMの種類によって、この工程の内容は大きく異なります。

  • 実写撮影の場合
    • スタジオ撮影:屋内のセットで撮影します。天候に左右されず、照明や美術を細かくコントロールできるのが利点です。
    • ロケーション撮影:屋外の実際の場所で撮影します。リアルな風景や空気感を表現できますが、天候に左右されるため予備日を設定することが一般的です。
    • 広告主も撮影に立ち会い、演出や商品の見え方などをその場で確認することが多いです。
  • アニメーション制作の場合
    • 素材作成:キャラクターデザインや背景美術などを作成します。
    • 原画・動画制作:アニメーションのキーとなる動き(原画)と、その間の動きを滑らかにつなぐ絵(動画)を描きます。
    • 彩色・仕上げ:色を塗り、光や影などの効果を加えて映像を完成させます。

どちらの場合も、絵コンテをもとに最高の画作りを目指します。

ステップ6:編集・MA(映像と音の仕上げ)

撮影・制作した素材を、15秒や30秒といった決められた尺のCM映像として完成させる工程です。

  • 仮編集(オフライン編集):撮影した映像素材をつなぎ合わせ、全体の流れやテンポを作ります。この段階で、広告主が内容をチェックし、修正の要望を伝えます。
  • 本編集(オンライン編集):仮編集でOKが出たら、テロップやロゴを入れたり、色味を調整したりといった、より高度な仕上げ作業を行います。
  • MA(Multi Audio):編集された映像に、ナレーション、BGM、効果音などを加えていく音の最終調整作業です。専用のスタジオで行われ、広告主が立ち会うこともあります。

この編集とMA作業を経て、CMはついに完成形となります。

ステップ7:納品・考査・放送枠の決定

完成したCMは、テレビ局に納品されます。しかし、納品すればすぐに放送されるわけではありません。

  • 考査:納品されたCM素材が、各テレビ局や日本民間放送連盟の定める放送基準を満たしているかどうかの審査を受けます。表現に行き過ぎた点はないか、法令を遵守しているかなどがチェックされ、この考査に通らなければ放送はできません。考査には数週間かかる場合もあります。
  • 放送枠の決定:考査と並行して、どのテレビ局で、いつ、どのくらいの頻度でCMを流すかを決定します。特定の番組のスポンサーとなる「タイムCM」と、時間帯を指定してランダムに流す「スポットCM」の2種類があり、予算や目的に合わせて最適なプランを選びます。

これらのステップをすべてクリアして、ようやくCMは視聴者のもとへ届けられるのです。

失敗しないために!CM制作を成功に導く5つのコツ

多くの時間と費用をかけて制作するCM。せっかくなら、最大限の効果を発揮させたいですよね。ここでは、CM制作を成功に導くために押さえておきたい5つのコツをご紹介します。

目的とターゲットを明確にする

「誰に、何を伝え、その結果どうなってほしいのか」というCMの目的とターゲットを、プロジェクトの最初から最後まで、関係者全員が常に意識することが重要です。ここがブレてしまうと、誰の心にも響かない、効果の薄いCMになってしまいます。

伝えたいメッセージは「ひとつだけ」に絞る

15秒や30秒という短い時間で伝えられることは限られています。商品の魅力や特徴をあれもこれもと詰め込みたくなりますが、それでは視聴者の記憶に残りません。「このCMで、これだけは絶対に伝えたい」という核心的なメッセージをひとつに絞り込み、それをいかに印象的に伝えるかに注力しましょう。

競合との差別化ポイントを洗い出す

市場には競合他社の商品やサービスがあふれています。その中で自社を選んでもらうためには、「他とは何が違うのか」という差別化ポイントを明確に打ち出す必要があります。自社の独自の強みは何かを分析し、それをCMの企画に落とし込みましょう。

制作会社とのコミュニケーションを密にする

CM制作は、広告主と制作会社の共同作業です。良いパートナーシップを築き、密にコミュニケーションを取ることが、プロジェクト成功の鍵となります。遠慮せずに要望や疑問を伝え、制作の各段階でしっかりと内容を確認し、認識のズレをなくしていくことが大切です。

テレビCM特有のルールを理解しておく

テレビCMには、景品表示法などの法律や、放送基準といった様々なルールが存在します。表現方法によっては、意図せずルールに抵触してしまう可能性もあります。専門家である広告代理店や制作会社と連携し、これらのルールを遵守した上で、効果的な表現方法を模索することが求められます。

CM放映後の効果測定はどうする?

CMは放映して終わりではありません。投じたコストに見合う効果があったのかを測定し、次のマーケティング施策に活かすことが非常に重要です。

一般的な指標「GRP(延べ視聴率)」とは

テレビCMの効果測定で伝統的に使われてきたのが「GRP(Gross Rating Point:延べ視聴率)」という指標です。これは、CMを放送した番組の世帯視聴率に、放送回数を掛け合わせて算出します。

計算式: GRP = 平均視聴率 × 放送回数

例えば、視聴率10%の番組で5回CMを流した場合、GRPは50となります。この数値が高いほど、より多くの世帯にCMが届いた可能性があるとされています。

より正確な効果測定への新しい動き

しかし、GRPだけでは「実際にどれくらいの人がCMを見てくれたのか」までは分かりません。録画視聴でCMがスキップされたり、放送中にスマートフォンを見ていたりするケースもあるからです。

そこで近年では、顔認識技術などを用いて「視聴者が実際にテレビ画面に注目していた時間」を計測する「GAP」といった、より精度の高い効果測定手法の研究も進んでいます。

CMの効果を多角的に分析し、その結果を次のCM企画やメディアプランニングに反映させることで、マーケティング活動全体の質を高めていくことができます。

まとめ

今回は、テレビCM制作の全体像について、企画から放映、効果測定までの流れを詳しく解説しました。

  • CM制作には通常2〜3ヶ月の期間と、制作費・放映費合わせて数百万円以上のコストがかかる。
  • 制作は「企画立案」から「考査・放送枠決定」までの大きく7つのステップで進められる。
  • 成功のためには「目的の明確化」「メッセージの絞り込み」「制作会社との密な連携」が不可欠。
  • 放映後の「効果測定」を行い、次の施策に活かすことが重要。

CM制作は、多くの専門家が関わり、時間と費用を要する一大プロジェクトです。しかし、その流れとポイントを正しく理解すれば、決して難しいものではありません。この記事が、あなたの会社のマーケティング活動を加速させる、効果的なCM制作への第一歩となれば幸いです。

まずは、あなたの会社がCMを通じて「誰に何を伝えたいのか」を整理するところから始めてみてはいかがでしょうか。信頼できるパートナーと共に、視聴者の心を動かすCM制作にぜひチャレンジしてみてください。