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2025.10.22

動画制作の「絵コンテ」書き方ガイド!初心者でも失敗しない基本とコツを徹底解説

映像クリエイターやWebマーケター、企業のマーケティング担当者として、「もっと伝わる動画を作りたい」「動画の品質を安定させたい」と日々考えている方も多いのではないでしょうか。

実は、動画のクオリティは撮影や編集だけでなく、その前段階の「準備」で大きく左右されます。特に「クオリティの7割は絵コンテで決まる」と言われるほど重要なのが、今回ご紹介する絵コンテです。

絵コンテと聞くと、「絵が描けないとダメ?」「専門的で難しそう…」と尻込みしてしまうかもしれません。

でも、ご安心ください。絵コンテの目的は「上手な絵を描くこと」ではなく、「動画の完成イメージを関係者間で共有すること」にあります。

この記事では、動画制作の初心者の方でも理解できるように、絵コンテの基本的な役割から、作成前の準備、具体的な書き方のステップ、そして品質を高めるためのポイントまで、分かりやすく徹底的に解説していきます。

この記事を読み終える頃には、絵コンテの重要性が理解でき、自分で作成する際の基本はもちろん、制作会社に依頼する際にも的確なコミュニケーションが取れるようになるはずです。


そもそも「絵コンテ」とは?動画制作の心臓部

まずは、絵コンテが動画制作においてどのような役割を担っているのか、その基本から押さえていきましょう。

絵コンテが果たす「設計図」としての役割

絵コンテは、一言でいえば「動画の設計図」です。

家を建てるときに設計図がなければ、大工さんはどんな家を建てていいか分かりませんよね。それと同じで、動画制作も絵コンテという設計図があるからこそ、スタッフ全員が同じゴールに向かって作業を進められるのです。

具体的には、テキストで書かれたシナリオ(脚本)をもとに、以下のような情報を視覚的にまとめた指示書のことを指します。

  • どのような構図(アングル)で撮影するか
  • 登場人物やキャラクターがどう動くか
  • 背景や小道具はどうするか
  • セリフやナレーションはどのタイミングで入るか
  • BGMや効果音はどんなイメージか
  • 各シーン(カット)の長さ(尺)は何秒か

これら全てが1枚のシートにまとめられているため、誰が見ても「どんな動画が完成するのか」が一目で分かるようになっています。

なぜ絵コンテは必要なのか?主な3つの目的

では、なぜ時間と手間をかけてまで絵コンテを作成する必要があるのでしょうか。それには、大きく分けて3つの重要な目的があります。

  1. 制作チーム内の「共通認識」を作る 動画制作には、ディレクター、カメラマン、照明、音声、キャスト(出演者)、編集者など、非常に多くのスタッフが関わります。もし絵コンテがなく、ディレクターの頭の中にしか完成イメージがなければ、現場は混乱してしまいます。絵コンテは、チーム全員が同じ設計図を見ることで、「こういう動画を作るんだ」という共通認識を持つためのコミュニケーションツールとして不可欠です。
  2. クライアントとの「完成イメージ」をすり合わせる 動画を制作会社に依頼する場合、発注側(クライアント)と受注側(制作会社)の間にもイメージのズレが生じがちです。「かっこいい感じで」とお願いしても、その「かっこいい」の定義は人それぞれ違いますよね。 絵コンテという「目に見える形」で事前にすり合わせを行うことで、「思っていたものと違う」という完成後のトラブルを防ぐことができます。マーケティング担当者としては、この段階で意図が正しく反映されているかを確認することが非常に重要です。
  3. 動画の「品質」を担保し、効率化する 絵コンテを作成する過程で、動画全体の流れ、メッセージの伝わり方、テンポなどを客観的にチェックできます。「このシーンは不要かもしれない」「ここのナレーションはもっと分かりやすくしよう」といった改善点を、撮影前に洗い出せるのです。 これにより、撮影現場での手戻りや、編集段階での大幅な修正を防ぎ、結果として動画の品質を高め、制作スケジュールやコストの効率化にもつながります。

絵コンテに記載される主な項目

絵コンテには決まったフォーマットはありませんが、一般的に以下の項目が記載されます。

  • シーン番号・カット番号: 動画全体のどの部分かを示す番号。
  • ページ番号: 絵コンテが複数枚にわたる場合に管理するための番号。
  • 絵(イラスト): 画面に映る構図やアングル、被写体の大きさを示します。
  • 内容(ト書き): キャストの動き、表情、背景の状況、カメラワーク(例:ズームイン)など、絵だけでは伝わらない情報を補足します。
  • セリフ・ナレーション: キャストが話すセリフや、背景で流れるナレーションのテキスト。
  • 音(BGM・効果音): 「明るいポップなBGM」「(ドアが開く音)ガチャ」など、音に関する指示。
  • 尺(秒数): そのカットが何秒間かを示す時間。
  • 合計尺: 各カットの秒数を合計した、動画全体の長さ。

絵コンテ作成前の最重要準備!「何を・誰に・どこで」を明確に

絵コンテをいきなり書き始めるのは、地図を持たずに旅に出るようなものです。

クオリティの高い動画、つまりマーケティング成果につながる動画を作るためには、絵コンテ作成の「前段階」である戦略設計が何よりも重要です。

ここでは、「何を」「誰に」「どこで」伝えるのか、明確にしておくべき3つの準備について解説します。

準備1: 動画制作の「目的」を定める

まず最初に、「なぜ、その動画を作るのか?」という目的を明確にしましょう。

目的が曖昧だと、動画の方向性も定まらず、誰にも響かないコンテンツになってしまいます。

<動画制作の目的の例>

  • 認知拡大: 新しい商品やサービスを、まずは広く知ってもらいたい。
  • ブランディング: 企業のイメージアップや価値観を伝えたい。
  • 販売促進: 商品の魅力を伝え、購入や問い合わせにつなげたい。
  • 採用活動: 求職者に向けて、働く魅力や社風を伝えたい。
  • マニュアル: 社内研修や顧客サポートのために、操作方法を分かりやすく伝えたい。

例えば、「認知拡大」が目的なら、視聴者の興味を引くキャッチーなアニメーションが有効かもしれませんし、「ブランディング」が目的なら、共感を呼ぶストーリー仕立ての実写映像が適しているかもしれません。

このように、目的によって最適な表現方法や動画構成が全く変わってくるのです。

準備2: 「ターゲット(ペルソナ)」を深掘りする

次に、「誰に、その動画を届けたいのか?」というターゲットを具体的にします。

「30代女性」といった大雑把な括りではなく、より具体的な人物像(ペルソナ)を設定することをおすすめします。

<ペルソナ設定の例>

  • 年齢: 35歳
  • 性別: 女性
  • 職業: 中小企業のマーケティング担当者(3年目)
  • 悩み: 最近SNS運用を任されたが、動画の作り方が分からず成果が出ない。
  • 情報収集: Webメディア、X(旧Twitter)で情報収集している。

ここまで具体的に設定することで、そのターゲットの心に響くメッセージ、好まれるデザインのトーン、共感できるシチュエーションなどが明確になり、絵コンテに落とし込みやすくなります。

準備3: 「配信媒体」を決める

最後に、「どこで、その動画を見せるのか?」という配信媒体を決めましょう。

媒体によって、推奨される動画の「尺(長さ)」や「画面の比率(縦横比)」が大きく異なるからです。

<媒体ごとの特徴の例>

  • YouTube: 比較的長い尺(数分~)も受け入れられやすい。横型(16:9)が基本。
  • TikTok, Instagramリール: 短尺(15秒~60秒程度)が主流。縦型(9:16)。
  • Webサイト(トップページ): 企業の顔となるため、高品質なブランディング動画(30秒~90秒程度)。横型(16:9)。
  • タクシー広告: 音が出せない状況も多いため、テロップ中心の構成。横型(16:9)。

例えば、TikTok用の縦型動画の絵コンテを、YouTube用の横型フォーマットで描いてしまっては、後で構図を全て考え直すことになります。

配信媒体を先に決めることで、絵コンテのフォーマット(枠の形)や、最適な動画の長さを確定させることができます。


初心者でもOK!動画制作の「絵コンテ」書き方

準備が整ったら、いよいよ絵コンテの作成です。

前述の通り、絵の上手さは問題ではありません。大切なのは「必要な情報が、伝わるように描かれていること」です。

ここでは、初心者の方がつまずかないよう、基本的な5つのステップに分けて書き方を解説します。

ステップ1: スクリプト(セリフ・ナレーション)を書き出す

意外に思われるかもしれませんが、絵コンテ作成は「絵」からではなく、「言葉(スクリプト)」から始めるのが最も重要です。

なぜなら、動画で最も伝えたい「メッセージ」は、セリフやナレーションといった「言葉」によって運ばれることが多いからです。先に絵(映像)を決めてしまうと、伝えたいメッセージと映像がチグハグになってしまう危険性があります。

まずは、準備段階で決めた「目的」と「ターゲット」に基づき、伝えたいメッセージを軸にしたセリフやナレーションの原稿(台本)を全て書き出してみましょう。

ポイントは、書き出したスクリプトを「実際に声に出して読み、ストップウォッチで時間を計る」ことです。

黙読するのと音読するのでは、必要な時間が全く違います。映像のナレーションは、視聴者が聞き取りやすいよう、通常の会話より少しゆっくり話すことが多いです。

一般的な目安として、1分間の動画で読み上げられる文字数は「約180字~300字」程度と言われています(テンポによります)。 まずは1秒間に5~6文字程度を目安に、原稿が長すぎないかを確認しましょう。

ステップ2: カット割り(コマ割り)を決める

スクリプトが完成したら、次はその言葉の流れに合わせて、映像をシーンごと、さらに細かい「カット」ごとに区切っていきます。これが「カット割り」です。

カットとは、カメラが回り始めてから止まるまでの一続きの映像のことです。

なぜカット割りが必要かというと、同じ映像がダラダラと続くと視聴者は飽きてしまうからです。 一般的な動画では、1カットの長さは「3秒前後」、長くても5~6秒程度が基本です。テンポよくカットを切り替えることで、視聴者を飽きさせず、動画に引き込み続けることができます。

スクリプト(台本)の横に、「ここでカットを切る」という印を入れながら、全体の流れを組み立てていきましょう。

この段階で、「ここはアップ(寄りの絵)にしよう」「ここは引き(全体の絵)で見せよう」といった、大まかなカメラアングルや演出もメモしておくと、次のステップがスムーズです。

ステップ3: フォーマットに絵を描き込む

ここでようやく「絵」の出番です。

準備段階で決めた「配信媒体」に合わせたフォーマット(例:横型16:9、縦型9:16の枠)を用意し、ステップ2で決めたカット割りに従って、各カットの構図を描き込んでいきます。

ここでのポイントは、とにかく「分かりやすさ」を優先することです。

  • 人物は棒人間でもOK。
  • 「何が」「どこに」あるのかが分かれば十分です。
  • Googleの画像検索などで「振り返る 女性」「会議室 引き」などと検索し、出てきた画像の構図を参考にするのも非常に有効なテクニックです。

また、忘れてはならないのが「テロップ(文字)」の配置場所です。

特にSNS動画や広告動画では、テロップの役割が非常に重要です。絵を描く段階で、「このあたりにテロップを入れる」というスペースを意識して構図を決めないと、後で「人の顔にテロップが被ってしまう!」といった問題が起こります。

ステップ4: 文字情報(ト書き・音)を補足する

絵だけでは伝わらない情報を、文字で具体的に補足していきます。

  • ト書き: 絵の横にある「内容」欄に、具体的な指示を書きます。 例:「主人公、笑顔でスマホを見ながら頷く」「カメラがゆっくりと商品に寄っていく(ズームイン)」
  • 音(BGM・効果音): 音のイメージを具体的に書きます。 例:「BGM: 明るく、希望に満ちたオーケストラ」「SE: (商品を使った瞬間)キラリーン!」
  • セリフ・ナレーション: ステップ1で作成したスクリプトを、該当するカットの欄に転記します。

これらの文字情報が充実しているほど、他のスタッフやクライアントとの認識のズレが少なくなります。

ステップ5: 尺(秒数)と番号を記入し、全体を調整する

最後に、仕上げの調整です。

  • 尺(秒数)の記入: 各カットの想定される秒数を記入します。ナレーションの長さに合わせたり、あえて「間(ま)」を持たせるために長めに取ったりします。
  • 合計尺の確認: 全カットの秒数を合計し、動画全体の長さ(合計尺)を算出します。 これが、企画当初の予定(例:30秒広告)や、配信媒体の規定に収まっているかを確認します。もしオーバーしている場合は、スクリプトを削る、カットのテンポを上げる(各カットの尺を短くする)などの調整が必要です。
  • 番号の記入: 「シーン番号(S-1)」「カット番号(C-1, C-2…)」「ページ番号(1/5)」などを記入します。 これにより、打ち合わせや撮影現場で「S-1のC-3のカットですが…」といったように、具体的な指示がしやすくなります。

絵コンテの質を高める3つのポイントと注意点

基本的な書き方をマスターしたら、次は絵コンテの「質」を高め、より伝わる動画にするためのポイントと注意点を見ていきましょう。

ポイント1: メッセージは「絞る」

動画制作において、初心者が最も陥りやすい失敗が「情報を詰め込みすぎること」です。

「あれも言いたい」「この機能も紹介したい」と多くのメッセージを詰め込むと、結果的に視聴者の記憶には何も残らない、散漫な動画になってしまいます。

動画は、時間とともに流れていってしまうメディアです。視聴者が一度に処理できる情報量には限りがあります。

伝えたいメッセージは、勇気を持って「絞る」ことが重要です。

  • 30秒程度の短い動画なら、伝えたいメッセージは「1つ」、多くても2つまで。
  • 60秒以上の動画であっても、「3つ」程度に絞り込むことをおすすめします。

絵コンテの段階で、「この動画で、視聴者に一番覚えてほしいことは何か?」を常に自問自答しましょう。

ポイント2: セリフ・ナレーションは「音読」で推敲する

ステップ1でも触れましたが、これは非常に重要なポイントなので再度強調します。

スクリプト(台本)は、必ず「声に出して読んで」確認してください。

黙読(目で読む)だけでは、以下のような問題点に気づきにくいからです。

  • 言い回しが不自然(書き言葉になっていて、話し言葉として違和感がある)
  • 息継ぎのタイミングがおかしい
  • 早口で言わないと尺に収まらない
  • 映像のイメージと、言葉のテンポが合っていない

実際のナレーターが読むテンポを想像しながら音読し、不自然な箇所は徹底的に推敲(書き直し)しましょう。このひと手間が、動画の「聞きやすさ」、ひいては「伝わりやすさ」を格段に向上させます。

ポイント3: 細かい部分に「こだわりすぎない」

絵コンテはあくまで「設計図」であり、「完成品そのもの」ではありません。

特に初心者の方は、絵コンテの細部まで完璧に作り込もうとしがちですが、それに時間をかけすぎる必要はありません。

  • 実写撮影の場合: 現場の天候、光の具合、出演者のアドリブ、ロケ地の状況など、絵コンテ通りにいかない変数は必ず発生します。現場でより良いアイデアが生まれれば、絵コンテから変更する柔軟さも必要です。
  • アニメーション制作の場合: 絵コンテを描くディレクターと、実際に絵を描くイラストレーターやアニメーターは別であることが多いです。絵コンテの絵柄と、完成するアニメのテイストは異なることを理解しておきましょう。

絵コンテの目的は、「全体の流れ」「伝えたい意図」「重要な構図」を共有することです。細かな絵の上手さや表現にこだわりすぎるよりも、そのカットで「何を表現したいのか」という意図が伝わることを最優先しましょう。


制作会社に依頼する?自分で書く?

ここまで絵コンテの書き方を解説してきましたが、「やっぱり自分(自社)で書くのは難しそうだ」と感じた方もいるかもしれません。

最後に、絵コンテを自社で作成する場合と、プロの制作会社に任せる場合のメリット・デメリットについて整理します。

自分で書くメリットとデメリット

  • メリット: 自社のサービスや商品の「想い」や「強み」を、最も理解している担当者が直接イメージを形にできます。また、制作会社に支払う企画構成費(絵コンテ作成費)をコストカットできる可能性もあります。
  • デメリット: 映像表現の専門知識(効果的なカメラワーク、編集のリズムなど)がないと、単調で分かりにくい絵コンテになりがちです。 また、映像化に必要な機材や工数を理解していないと、「この絵コンテを実現するには、予算が3倍必要です」といった事態(予算オーバー)を招くこともあります。

制作会社に依頼するメリット

プロの動画制作会社に絵コンテ作成から依頼する最大のメリットは、動画マーケティングの知見に基づいた「伝わる構成」を提案してもらえることです。

こちらの「目的」と「ターゲット」をヒアリングした上で、予算内で最も効果的な表現方法(実写かアニメか、CGは必要かなど)を盛り込んだ、高品質な絵コンテを作成してくれます。

マーケティング担当者としては、必ずしも自分で絵コンテを「書ける」必要はありません。

むしろ、自社で「伝えたいことの核(スクリプトの原案)」をしっかり用意し、制作会社が作ってきた絵コンテに対して、「意図が伝わるか」「ターゲットに響くか」という視点で的確にフィードバック(修正指示)できることの方が重要です。


まとめ

今回は、動画制作の成功を左右する「絵コンテ」について、その役割から具体的な書き方、ポイントまでを詳しく解説しました。

  • 絵コンテは、動画制作に関わる全員の「共通認識」を作るための「設計図」です。
  • 作成前には、「目的」「ターゲット」「配信媒体」の3つを明確にする準備が不可欠です。
  • 書き方の基本は、「スクリプト(言葉)」を先に決め、それに合わせて「カット割り」と「絵」を当てはめていくことです。
  • 高品質な絵コンテのためには、「メッセージを絞る」「音読で推敲する」「細部にこだわりすぎない」ことがポイントです。

絵コンテは、動画の品質を担保し、制作をスムーズに進めるための羅針盤のようなものです。

たとえ動画制作を外注する場合でも、マーケティング担当者であるあなたが絵コンテの基本を理解しておくことで、制作会社とのコミュニケーションは格段に円滑になり、意図した通りの、成果の出る動画制作に大きく近づくことができます。

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